「てぶくろをかいに」 新美南吉(にいみ・なんきち)

新美南吉作品(にいみ・なんきち 1913年大正2年-1943年昭和18年29歳没)
「てぶくろをかいに」 いもとようこ・絵 金の星社
冬が来て、森に雪が降って寒いから、子ぎつねに手袋を買おうと、母ぎつねと子ぎつねが人家のある里へ下りていくのですが、母ぎつねは、以前人間に追いかけまわされたことを思い出して怖くなって体が動かなくなり、手だけ人間に化けた子ぎつねだけが帽子屋さんに行くのですが、間違えて、人間の手のひらを出さずに、きつねの前足を出してしまうのです。
それでも、人間であるお店の人は、きつねが、お金はくれるので、きつねだとわかっていて、手袋を子ぎつねに売ってくれたのです。こんな流れです。
生れて初めて見る空から降ってくる雪が、「目に刺さった」と思う子ぎつねです。
もみの枝から雪がどさりと落ちてきます。
モミの木の高さは10メートルぐらいかなと勝手に想像するのです。
文章が美しくて優しい。絵も同様です。
「くらい夜が、ふろしきのようなかげをひろげて」 素敵な文章です。
作者は、山から見下ろした夜の人家の灯り(あかり)を「星」とたとえる感性をもっています。
いくら人間が怖いからといって、子どもだけに買い物に行かせる母親ぎつねのすることはどうなのか。
15ページの人間の手になった自分の右前足を見る子ぎつねの絵が美しい。
調べた言葉などとして、
シャッポ:帽子
白銅貨:はくどうか。大正時代の白銅貨
コバルト:金属。作品では、白銀色を「コバルトのかげ」と表現していると解釈しました。
印象に残った言葉などとして、「にんげんはほんとうにおそろしいもの」
人間は、お金次第という面も表現してあります。
25ページのおじいさんの顔は外国人に見えます。アンデルセンを思い出しました。北欧の男性の顔です。
人間の親子の会話がよかった(人間のこどもが、きつねのこどものことを心配します)。母親の愛情が伝わってきました。そして、子は母親を慕います。
父親きつねはどこにいったのだろう。
最後の文節、「ほんとうににんげんは、いいものかしら。」は、意味が深い。
15見開きの童話でした。
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