リアル・スティール 洋画 2011年
あけましておめでとうございます。
2026年元旦は、わたしが好きで何度も観ている洋画をご紹介します。
わたしはこどものころに父親を病気で亡くしたこともあって、父親とまだこどもである息子を主役に置いた映画を観ると胸がぎゅーっと締めつけられます。映画の中の父親像とこどもだったころの自分の姿が重なります。映画は、同一類似体験があると深い感動が生まれます。
わたしは、父親とは、仲が良かったわけではなくて、むしろ仲が悪くて、わたしが中学、ちょうど反抗期のときに父は病気で亡くなりました。
父親は、しらふのときは、まじめな人間なのですが、アルコール依存で、アルコールを飲むと暴れん坊になってしまうので、母もわたしも苦労しました。
中学生になったわたしは、父が亡くなる三日前まで、父とはケンカをしていました。父は入院した三日後に亡くなりました。亡くなったあとも、わたしは父親の遺体をにらみつけながら、これからどうやって自分たちは暮らしていくんだ!と怒り(いかり)に満ちた目をしていました。
こちらの映画では、ろくでなしの父親と、そんな父親を叱咤激励(しったげきれい。大声で叱る、励ます)し続ける少年という構図で描かれています。自分の父子関係と重なります。
『リアル・スティール 洋画 2011年(平成23年) 2時間7分』
監督:ショーン・レヴィ
俳優:
チャーリー・ケントン(ろくでなしの父親。「誠意」とか「誠実」を知らない人間です。お金もうけ第一主義です。そのくせ貧乏人です。離婚後恋人がいる。そして、前妻は病気で死去しました。前妻が引き取ったひとり息子が残りました):ヒュー・ジャックマン
マックス・ケントン(息子。いい奴(やつ)です。11歳の設定ですが、12歳、小学6年生ぐらいに見えます。両親離婚後いっしょに暮していた実母が死去したあと、母親の姉夫婦に引き取られる予定ですが、姉夫婦が資産家なので、実父のチャーリーと姉夫婦との間で、養育権に関して、息子のマックスをはさんで、あれこれお金の交渉があります。父親は、お金はほしい。息子はいらないというふうです):ダコタ・ゴヨ
『2011年12月(映画館で観ました)』
批評欄を巡って、評判がよかったので映画館で観てきました。鑑賞中は涙がだらだらと流れ続けます。いい映画でした。ろくでなしの親父をしっかり者の息子11才が叱咤激励(しったげきれい)して改心させます。ガッツあふれる爽快な作品です。
「リアル・スティール」をどう訳すのか知らないので自分で訳してみます。
ロボット対ロボットの格闘技をリアル・スティールという。その意味は、本物の鋼(はがね)、言い替えて「頂点に立つ勝利者」さらに言い替えて「鋼の横綱」、脚色して、「心・技・体がそろった格闘技界最高のロボット」としておきます。
親父の名前はチャーリー、設定は2020年アメリカ合衆国テキサス、のんびりした農業地域の雰囲気が漂っています。
チャーリーは、所有していたロボット「アンブッシュ」始めとして、試合に負けて壊れたロボットを修理することなく次々と捨てる人間です。
壊れたロボットを捨てては、新しいロボットを買う。常にお金がなく、借金取りに追われている。借金の返済ができないくせに平気で返済をすると言う、格闘技で勝利できもしないくせに勝てると言う、嘘で固めた生活を送っている。あげくの果てに自分の息子を1000万円ぐらいで里親(亡前妻の姉夫婦)に売りつけました。
初対面のロボットは大きくてこわい。だんだん慣れます。どうやって動かしているのだろう。人が入っているようには見えません。コンピューターで画像を製作して、さらに人間とは別撮りしてあとに合成してあるのかもしれません。映像に違和感はありません。
格闘シーンは野蛮なアメリカ人気質が正面に出ます。
「ノイジー・ボウイ」というロボットのあとに、11才のマックスが登場します。
アメリカボクシング映画「チャンプ」が下地になっていると勝手に解釈します。
ノイジー・ボウイには日本語が書いてあり、その操作方法にも笑いました。
観に行った映画館での観客は、こどもが多いだろうと思っていましたが、わりと年配の世代が多い。字幕スーパーのせいでしょう。登場するロボットは、昔懐かしい「鉄人28号」のようだったり、「マグマ大使」のようだったりもする。登場する権力者は日本人風であり、いずれにしろなにかしら日本がからんでいて、日本の影響を受けています。
崖から転落したマックスを救ってくれたごみとして捨てられていたロボットが「ATOM」で、「鉄腕アトム」を思い出させます。
マックスにとってATOMは、唯一この世で信じることができる友だちになっていきます。
マックスと父親のチャーリー、チャーリーと彼の恋人のベイリーは口論ばかりです。
そのほかにも、だれもがチャーリーをアホ!と責めます。
チャーリーは有名になったATOMを2000万円ぐらいで売ろうとします。アホ!です。
11才の息子マックスは、「売り物じゃない!」という趣旨で、「24時間話し合おう。それでも売らない!金じゃない!」と激しく父親を叱責(しっせき)します。
がんこさがいい。マックス自身が里親に、お金で売られたことが下地にあるので、胸にぐっときました。
音楽、自然の風景があります。人工物でできあがった世界の中を表現したものではありません。
好感をもちました。マックスがATOMに話しかけます。
ATOM、きみは何を考えているのか。ATOMはマックスに感謝している。泥に埋もれていた自分を掘り出してくれた。命を再生してくれた。
心とか気持ちに響くいい映画でした。
双頭ロボット「ゼウス」との戦いは壮絶でした。
耐えて、耐えて、耐え抜いて、一線を超えたときに一気(いっき)にやり返すという手法は、忍耐強い性格をもった人間の魂(たましい)を表現しています。
強気をくじき弱気を助ける精神で、いくつかの小話も織り込まれており感情の動きは日本人的です。日米合作映画のような面持ち(おももち、感情のあらわれ)があります。
父親チャーリーの人格矯正には時間がかかりました。マックスはよくがんばりました。
『2012年6月10日の感想メモ リアル・スティール DVD』
映画館で観て感動の作品だったので何度も観たくなり購入しました。どういうわけか、DVDとブルーレイの2枚セットでしか買えません。DVDだけでいいのに。
特典映像から観ました。莫大な費用が投下されています。崖から落ちた少年は少年ではなく女性のスタントマンでした。
ロボットを製作して映像化する作業では、人形浄瑠璃師を思い浮かべました。まるでロボットが生きているかのようにロボット人形を動かすのです。
なぜ映画の内容に自分が共感できるのかを考えてみました。
父親と少年マックスが亡父と自分に重なるのです。しらふのときはまじめなのにアルコールが入るとぼろぼろになる親父でした。
マックスの気の強さがいい。子が親を教育します。何が大切かを説きます。DVDを観て気づきました。影にもうひとつの親子像あります。マックスの父チャーリーと彼の恋人の亡父です。
音楽がいい。
じっくり観ると、親子ふたりは出会ったときから、「別れ」がスタートするのです。
楽しい経過の先には、「別れ」があるのです。
それが家族であり人間関係です。会うは別れの始めなりということわざを思い出しました。
記憶に残ったセリフ集です。「マジに祈れ」、「たとえぼろ負けでも正々堂々と戦おう」、「圧倒的な闘志で闘うことをあきらめない」
これは、亡くなったマックスのおかあさんがつくった世界です。
『2013年1月1日の感想メモ リアル・スティール DVD』
ハートフル(心が温かみで満たされる)映画です。HAPPYな気分にさせてくれるMOVIEです。
映画館で観て、DVDで観て、また今回DVDで観てやっと気づきました。
リアル・スティールとは、11才マックスの父親と東洋人富豪タク・マシドが、ロボット自動操縦システムを捨てて、手動で闘うことと考えました。本当に真剣にやるときは、デジタルではなく、アナログ(手動)でやるのです。
さらに、最終ラウンドが終わってマックスが見つめる父親の後ろには亡くなった母親の姿が見えました。
マックスは、親子3人で暮らしたかった。クール(理知的)な母親が愛した父親を尊敬できるようになってよかった。(だけど、マックスの母親は死に、父親には恋人がいる。この部分で、小説「オルゴォル」朱川湊人(しゅかわ・みなと)著を思い出しました。
離婚母子家庭のフジワラハヤト11才は、父親に会いに東京から大阪まで行ったのですが、そこには、父親の新しい妻がいたのです。
ロボットボクシングの映画です。ロボットの動きは鋭くなめらかです。ことにマックスとのダンスはほのぼのします。
ロボットだけど、人間の言葉を理解します。そのことは、マックスとロボットATOMとの秘密事項です。
アトムはスパーリングロボットだから打たれ強い。合言葉は、知恵をつくす、耐える、そして祈る。
『2014年8月29日の感想メモ リアル・スティール DVD』
殴り合いの野蛮な出だしですが、マックス11歳の登場あたりから落ち着きます。
根性の腐った父親を叩き直して、真実がわかるまっとうな人間に育てることが目標です。がんばれ!マックス!
マックスの表情がいい。そして、ロボットATOM(アトム)は生きているようです。
アトムのシンプルなつくりの顔が効果をあげています。マックスとアトムが練習をするふだんの場所でのロケ地撮影がいい雰囲気をかもしだしています。
バックグランドミュージックもいい。本音を伴うお金のやりとり会話がいい。
父親と息子の合作がアトムです。児童福祉の映画でもあります。恋愛の映画でもあります。父親は別の女性といい仲になっている。マックスは病死した母親の姉夫婦の家で暮らすことは避けられない。血がつながっていても親子が一緒に暮らせないことはあります。
試合は粘りです。とりあえず1ラウンドをもたせる。耐えて耐えて耐えて、最後に攻めに出ます。
ようやくお父さんはお父さんになれました。これも、亡きお母さんの支えがあったからです。「圧倒的な闘志で闘う」いいセリフでした。
『2017年6月10日の感想メモ リアル・スティール DVD』
久しぶりにDVDで、3年ぶりぐらいで観ました。
箇条書きになりますが、時系列的な感想です。
・ロボットはどうやって動かして撮影したのだろう。
・お金の話は、物語の基本
・ロボットがボロクズのようにされます。「暴力」です。
・父親が息子のマックスに、人間が無限の暴力を求めたから現状があると説明します。人間は悪です。
・ファンあってのスター
・ベイリー(パパの恋人)のセリフで、「借金ばかりで、いくらやってもうまくいかない。暮らせない」
・ロボットをとおしての人間の再生。親子関係(父子関係)の再生
・アトムは打たれ強い。(スパーリング用ロボットだったから)
・本物の王者
・人生は長い(悲しみとか、がまんは、いっときのこと)
・たとえボロ負けしても正々堂々と闘おう(たたかおう)。
・シーンには出ないけれど、「おとうさんは、立派なおとうさんであれ!」という声が聞こえてきました。「勝ち負けはもうどっちでもいい」とも聞こえてきました。
・大ヒットした映画です。中身は、映画だからできたことです。
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