清須会議 映画館と小説

熊太郎

清須会議 映画館と小説


2013年(平成25年)12月に観た映画の感想記録です。

清須会議 邦画 2013年公開 2時間18分 映画館

 先日NHK大河ドラマ「豊臣兄弟」で放映された「清須会議」です。ドラマを観て、この映画を観たことがあるのを思い出しました。


監督:三谷幸喜

出演:役所広司、大泉洋、小日向文世、佐藤浩市、妻夫木聡、浅野忠信、寺島進、でんでん、松山ケンイチ、伊勢谷友介、鈴木京香、中谷美紀、剛力彩芽、染谷将太、戸田恵子、浅野和之、中村勘九郎、天海祐希、西田敏行


 映画の舞台となる愛知県内尾張地方の映画館で観ました。

 映写室にいる観客は8割の入りでした。最後まで静かでした。(眠っている人が多かったのか)笑いどころは随所に用意されていましたが、笑い声はほとんど聞こえてきませんでした。


 理屈っぽい映画でした。名古屋弁も清須という場所も身近なので笑えないということもあります。

 柴田勝家や池田恒興の子孫が現世にいるわけで、ご先祖さまのキャラクターがあまりよくないといい気持ちがしません。


 セリフは短くてGoodでした。丹羽長秀は、勝海舟のようでかっこいい。

 冒頭付近からの映像は、小説・邦画作品。和田竜原作「のぼうの城」を思い出し、きれいでした。

 織田信孝のお墓は愛知県にある知多半島のお寺さんで見たことがあります。

 小説にある本能寺の変での織田信長のシーンは、映画ではだいぶカットされているように思えました。思い切ったのでしょう。


 評定(ひょうじょう。会議)のときのメンバーが、小説のほうが多かったような気がしたのですが、映画は4人でした。わたしが勘違いしているのでしょう。また、小説には映画で出てきた「旗取り」のシーンはなかったと思います。遅れてくる武将話のオチが旗取りに使用されていました。


 ときおり、登場人物が観客を見ながら話をします。目の前で生きているようでどきっとしました。

 血統と人間の器(うつわ)にこだわる内容です。トップになるためには兄弟同士でも戦います。秀吉の個性が浮き出ていました。彼の魅力が十分伝わってきました。



(小説を読んだときの感想を足しておきます。2012年(平成24年)9月に読んだときの感想記録です)

清須会議 三谷幸喜 幻冬舎


 織田信長が本能寺の変で倒れたあとの跡目争いです。

 豊臣秀吉対柴田勝家の図式で物語は続きます。読み始めは、こんなにくだけて書いていいのだろうかと不安と心配にかられますが、そのうち慣れてしまいます。


 わたしは、英傑たちが誕生した地で暮らしているので、登場してくる地名や人物は身近に感じます。

 織田三七信孝(信長の三男)のお墓は愛知県知多半島にある寺院内にあるのでドライブ先でお参りしたことがあります。これまでどのような人物かは知りませんでしたが、この本を読んで少しだけわかったような気になりました。


 駆け引きの世界です。秀吉はかけひき上手です。

 天下を統一して戦(いくさ)を終わらせたいという彼の夢には賛同します。

 織田信長という大将が倒されて本来ならピンチなのですが、彼はピンチをチャンスと考える男でした。


 各人のモノローグ(ひとりごと)は、喜劇ですから面白い。この作品は来年映画として公開されるそうです。たぶん観にいくことでしょう。役者はだれでだれを演じるのか。楽しみです。


 親族関係・友人関係のある者どうしで争う内紛は見苦しいものですが、過去から現在まで、延々と続けられている人間の営みでもあります。血縁にこだわる日本人社会があります。


 会議に関して言えば、以前読んだ「忘れられた日本人」宮本常一著があります。

 昔の日本人男性たちは毎日毎日寄り合いをしていた。同じテーマで何日も何日も話し合いをする。全員一致の総意に達するまで話し合って物事を決めていたそうです。西洋的な発想である「多数決」と比較すると、アジア的、日本人的でわたしは好きです。


 この物語の場合でも、柴田勝家グループは不満をもっていますが、形式上は全員一致の結果を見出しています。