ロッキー 洋画 1976年(昭和51年)

熊太郎

古い映画ですので、これまでに何度か観ています。

2014年(平成26年)5月のときの感想記録です。

ロッキー 洋画 1976年(昭和51年) 1時間59分 DVD


監督:ジョン・G・アヴィルドセン

俳優:シルヴェスター・スタローン、タリア・シャイア、バート・ヤング、バージェス・メレディス、カール・ウェザース


 1976年(昭和51年)公開の名作です。(2026年の今計算すると、もう50年前の映画になってしまいました)

 鑑賞後同じDVDに収録があるシルヴェスター・スタローンさんのインタビュー映像を観ました。

 ロッキー・バルボアを映画上のキャラクターとして自分から分離し、当時のことを語っておられます。


 自分は無名の俳優だった。ロッキーの脚本素案は自分がつくった。2.5㎡の狭い部屋で、3日間で90ページのストーリーをつくった。脚本ではなかった。自分が出演する気もなかった。貧困の中にいて、ストーリーのアイデアを売ることから始まったそうです。


 映画作りではお金が無くて、自分の家族や飼い犬まで登場させた。お金がなくて思いどおりに撮影できない部分は知恵でのりきった。結果的に、映画は大当たりをした。信じられなかったそうです。撮影もその場の思いつきの一発勝負で撮ったカットばかりだそうです。奇跡です。


 さて、映画の感想です。

 シンプルなストーリーがいい。恋人エイドリアン役、女優さんの演技がいい。

 ロッキーは彼女の前で、よくしゃべります。美辞麗句を並べることはできないけれど、彼女が大好きだという気持ちはおおいに伝わってきます。

 無骨で粗野な言動ですが、心はあたたかくてやさしい。トレーナー役の老人76歳に接する態度からわかります。


 いくつか記憶に残るセリフがありました。


エイドリアン(ロッキーの恋人):アインシュタインは落第したし、ベートーベンは耳が不自由だったけれど、だれにでもチャンスはある。


雪が降る路上にて、ロッキーと乗用車に乗ったチンピラとのエイドリアンに関する言い争い:(ロッキーの恋人エイドリアンは)「根暗な女だ」に対してロッキーが、「内気なだけだ!」


部屋にこもったエイドリアンにロッキーが:(ドアに向かって話し続けながら)ドアと話したことはない。


 映像のバックに流れるピアノのつまびき音が心地良い。


 チャンピオンの対戦相手に選ばれた幸運なロッキーにだれもかれもがたかってきます。金ずるにしたい面と「夢」をかなえたい面があります。だれしも、自分の「夢」をかなえたい。


 ロッキーは、8才当時の自分の写真を自宅の鏡にくっつけています。(自分が)何でもできるかもしれないという可能性をもっていた年齢です。


 淡々と静かに進んでいく映画です。低予算でつくられていることもわかります。でも、最後の最後で、映画を観続けた人の胸は熱くなるのです。オリンピック女子フィギャスケート浅田真央選手が言った「メダルよりも大切なものがあった」という言葉に気持ちがたどりつくのです。



2020年(令和2年)12月に鑑賞したときの感想記録です。

(再鑑賞)ロッキー アメリカ映画 DVD 1976年公開


 シンプルなボクシング映画です。

 順位のランクが低い選手にとっては、危険度が高いのに割に合わない報酬です。


 たき火を囲んでの集団の歌の演奏は質が高い。脚本がしっかりしています。実体験に基づくことがベースになっているのでしょう。


 主人公のロッキーは、ペットのカメや金魚に話しかけるひとり者の生活です。

 借金の恐喝式取り立てで生計を維持している主人公ロッキーです。彼が仕事をしている映像が流れます。ろくでもない人間です。


 内気で暗いもてない雰囲気の女性がエイドリアンで、ロッキーとエイドリアンは、ふたりとも30歳ぐらい。ロッキーの友人ポーリーの妹がエイドリアンです。

 貧しさでどうにもならない日常生活で、ロッキーはあがいています。


 アメリカ式のヒーロー誕生、一攫千金(いかっくせんきん。一発で大金を手に入れる)映画です。アメリカには、のしあがるチャンスがあります。


 「イタリアの種馬」扱いをされて、ばかにされるロッキーですが、彼自身はそのことを気にしていません。大衆に受けるキャッチコピーは普通に許されるのです。


 エイドリアンのセリフ「どうして闘うの?」ロッキーが、「それしかできないからさ」


 ロッキーは、よくしゃべる男です。ときおり彼が8歳のときの写真が映像に出ます。将来の夢がいっぱいあったけれど、いまだかなっていない。


 ロッキーは、不器用だけれど一生懸命です。

 ボクシングトレーナーから、イッツアウェストライフ(おまえの人生はくずの人生だ)と言われてロッキーの心が傷つきます。


 ロッキーは、エイドリアンを愛しているし、エイドリアンもロッキーを愛しています。


 ボクシングヘビー級世界チャンピオンとの試合を前にロッキーはおびえています。

 

 76歳のおじいさんトレーナーとのやりとりが抜群にいい。気持ちと気持ちのやりとりです。ロッキーの「今さら何だよ!」気持ちの波の表現がすばらしい。心に優しい映画です。

 曲のタイトルは忘れましたが外国曲で『弱き者たちに自分は強いと言わしめよ』というようなフレーズがあったのを思い出しました。(その後調べました。『ギブ・サンクス』という曲でした)


 力が横行して、力で決着をつける世界です。朝のトレーニング中、ロッキーが朝日に照らされて、チャンピオンになったつもりのシーンがよかった。

 悲惨な生活の中で、人から優しくしてほしいと思う登場人物たちです。


 ロッキーは最後に、「勝利」ではなくて、「愛情」を選びました。


 「(15ラウンドの)最後のゴングが鳴ったときに、リングに立っていられたら、オレがゴロツキでないことを証明できる<オレは人間のクズじゃない!>」