伊豆の踊子 映画2本 山口百恵 吉永小百合

熊太郎

伊豆の踊子 映画2本 山口百恵 吉永小百合


2025年(令和7年)12月に観たときの感想です。

伊豆の踊子 邦画 1974年(昭和49年) 1時間21分 動画配信サービス


原作:川端康成 1926年(大正15年)に文芸雑誌に発表された。

監督:西河克己

俳優:山口百恵、三浦友和


 先日の朝、NHKの番組を観ていたら、原作川端康成氏で、この小説「伊豆の踊子」が世に発表されてからちょうど100年になるというような話題でした。

 作品、『伊豆の踊子』で、何本も映画がつくられています。

1933年(昭和8年) 田中絹代、大日方傳(おびなた・でん)

1954年(昭和29年) 美空ひばり、石濱朗(いしはま・あきら)

1960年(昭和35年) 鰐淵春子(わにぶち・はるこ)、津川雅彦

1963年(昭和38年) 吉永小百合、高橋英樹

1967年(昭和42年) 内藤洋子、黒沢年男

1974年(昭和49年) 山口百恵、三浦友和 今回観た作品です。1963年の吉永小百合さんの作品は以前レンタルDVDで観たことがあります。吉永さんは当時実年齢18歳だったと思います。

 この話の見せ場として、踊り子が(14歳の設定)、露天風呂からすっぱだかで、書生の男子(19歳)に手を振るシーンがあります。

 吉永小百合さんのそのシーンは、新鮮で初々しかった(ういういしかった。とくだん裸はしっかりは見えません)

 山口百恵さんのシーンは、映像が合成されているような感じに見えました。踊り子は女性ですが、気持ちはまだむじゃきな14歳のこどもなのです。


 大正時代末期(大正15年。1926年)の時代設定です。

 川端康成:1899年(明治32年)-1972年(昭和47年)72歳没。自死。小説家、文芸評論家、1968年(昭和43年)ノーベル文学賞受賞者


 三浦友和さんが若い。なんとなく、俳優の仲野大河さんに顔つきが似ています。女優の河合優実さんの顔と山口百恵さんのお顔が似て見えます。

 三浦友和さんも山口百恵さんも自分と同世代なので、映像を観ていて、育ってきたこれまでの歴史をしみじみと感じます。

 こうしておふたりは、結婚までいかれて、こどもさんができて、お孫さんがお生まれになった。まあ、自分たち夫婦の人生も同じ内容で重なります。

 みんな、歳をとりました。

 

 浦部粂子(うらべ・くめこ)さんがなつかしい。1989年(平成元年)87歳没


書生(しょせい):住み込み学生


一高生(いちこうせい):第一高等学校(東京大学教養学部の前身)の生徒


 書生は、お金がある人、旅芸人は、お金がない人。そんな比較があります。


 四代目三遊亭小圓遊(さんゆうてい・こえんゆう)さんも若い。1980年(昭和55年)43歳没。病死。山口百恵さんの日本武道館引退コンサートの日に亡くなりました。


(登場人物)

 書生:三浦友和


 かおる(旅芸人の踊子。14歳):山口百恵


 栄吉(かおるの兄):中山仁


 千代子(栄吉の妻):佐藤友美(さとう・ともみ)


 のぶ(千代子の母親。おのぶさん):一の宮あつ子


 おきみ(酌婦しゃくふ(コンパニオンみたいなものか)をしていたが、今は病気(結核か)で寝込んでいる):演じているのは石川さゆりさんです。

 石川さゆりさんの1986年(昭和61年)の歌曲、『天城越え』と、1974年(昭和49年)この映画となにか縁でもあるのかなあと感じるものがあります。

 山口百恵さんと石川さゆりさんは同年齢ですが、このとき石川さゆりさんはまだ有名ではなかったと思います。


 百合子(みんなの郷里伊豆大島出身の雇われ芸人か):四方正美(よも・まさみ)


 それから、「シロ」という名前の子犬がいました。


 映像を観ていて思うのは、踊り子はまだこどもで、年の離れたお兄さん(書生)といっしょにボードゲームをして遊びたい。(囲碁ではなくて、五目並べ)、それから、踊り子は文字が読めないようすで、書生さんにアクション(活劇)が内容の本(水戸黄門。すけさん、かくさんが登場します)を読んでほしい)(わたしがこどものころは、文字の読み書きができないお年寄りがけっこうおられました。親に働かされて学校へは行けなかったのです)

 あとは、旅芸人のみなさんがきちんと生活していることに心を打たれました。姿勢がいい。礼節を重んじます。古き良き日本人の態度が表現されています。


 映像では、会話にテンポ(速さ)があります。

 いいなと思ったセリフです。

 『くどいよ! このドスケベ!!』

 

 旅芸人に対する世間の偏見や差別があります。

 いつの時代でも、人は、だれかをみくだすことで、自分の地位を保とう(たもとう)とします。


 三味線がカラオケがわりの伴奏です。

 そういえば、わたしがこどものころは、アコーディオンが伴奏をする楽器でした。


 悲恋につながる恋の成就を(じょうじゅ。達成)を阻む(はばむ)、リーダー的女性である年配のおのぶさんの態度と言動があります。

 旅芸人のリーダー的存在であるおのぶさんの考えは、ごもっともです。

 若い時にだれもがとおる道でしょう。

 理想と現実は違うし、おとなになるときに、人の心も変化します。踊り子の恋愛感情がいちずにならないようにブレーキをかける。恋をつぶす。現実を考えさせる。

 書生と踊子では身分や生活環境が違います。そして、将来も違います。

 「書生に惚れたって(ほれたって)、しょうがない」


 活動(映画)に連れて行ってもらう。


 昔、わたしが50代始めのころ、5年間ぐらい車通勤をしていたころに、山口百恵さんのCDを5枚ぐらい車に積んであって、仕事の行き帰りは、百恵さんの歌を聞きながらハンドルを握っていました。

 CDには、いわゆる流行歌となったヒット曲はあまり入ってなくて、しみじみと聞かせる歌が収録されていたもので、ケースは紙製品でした。なつかしい。


 ラストは、物悲しい港を背景にした船の別れです。

 「お~い、お~い」

 バックグラウンド・ミュージックで感情を盛り上げます。

 古典的な恋愛映画です。

 風景を見ると、伊豆の地形は山深いことがわかります。

 

 山口百恵さんは、女優の才能も長けていた(たけていた。優れていた(すぐれていた))

 折り鶴を折るシーンが似合っていました。

 願いを折る。折るけれど、願いは、かなわない。「悲恋(ひれん。恋はかなわない)」のパターンがあります。

 百恵さんが演じる「かおる」は、色っぽい。百恵さんの暗い雰囲気の時の表情がいい。

 人は、悲しみをこらえながら、働いて、生活していきます。



2012年(平成24年)1月に観たときの感想です。

伊豆の踊子 邦画 1963年(昭和38年) 1時間27分 DVD

監督:西河克己

俳優:吉永小百合、高橋英樹、浜田光男、南田洋子、十朱幸代(とわけ・ゆきよ)、宇野重吉、浪花千代子(なにわ・ちえこ)、大坂志郎


 1963年の映画です。吉永さんは美しいとか、かわいいとかいう以前におてんばです。

 劇中では16才、実年齢は18才となっています。

 大学生との恋は幼いものです。

 1923年(大正12年)の設定となっています。大学生はお金もちです。相当お金持ちの子息でなければ大学へ進学できなかった時代です。

 身分の違いがある恋です。結婚に至ることのないかなわぬ恋愛です。

 踊子は女性哀史の人生を歩むことになるし、学生さんは国家公務員や学者さんになるのでしょう。


 静岡県下田での吉永さんの踊りは鬼気迫るものがあります。このワンシーンへの集中力はすさまじい。


 昔の映画には昔の風景があります。山河の景色は今もそれほど変化はありません。


 物語は細くて繊細です。今にも切れそうな糸です。

 反面ユーモラスな場面もあって、高橋英樹さんと吉永小百合さんとのかけあいは、志村けんさんと石野陽子さんのコントを見ているようです。