ローマの休日 洋画 1954年

熊太郎

ローマの休日 洋画 1954年(昭和29年)日本公開 118分 DVD

監督:ウィリアム・ワイラー

俳優:オードリーヘップバーン、グレゴリー・ペック、エディ・アルバート


(2010年(平成22年)鑑賞のときの感想記録)

 遠い過去(高校生の頃、テレビの洋画劇場で)に見たことがある映画でしたが、歳月を経てあらためて見て胸を打たれました。

 白黒画面は気になりません。

 アン王女が泣きはらしたあとのはれぼったい顔がよくわかります。

 構想から完成までに10年はかかった映画ではないかと感じました。よくできています。

 とある国の若い王女が滞在先のイタリアローマで宿泊先をこっそり抜け出すという設定は、ありそうでありえません。

 舞台となるローマの風景、そして人情味あふれるローマ人とのかけひきがおもしろおかしくて楽しい。


 冒頭から豊かな音楽が流れます。でも後半の肝心なところでは無音になります。

 この時代はまだ無声映画の名残があるのではないか。

 言葉のない空間に人間の心情とユーモアがあふれています。


 儀式の場に象徴として立つことは王女の仕事であり役割です。

 人は食べていくために働かなければならないのです。

 1日のうちの数時間を労働で拘束されるのは当然のことです。とはいえ、スクリーンのなかの彼女を見ていると気の毒になります。世論が許せば王族を離脱してもいいではないかと同情します。


 心に残る作品の条件として、「お金がないこと」、「美」があること、「人間として超えてはいけない一線を超えない厳しさ」があることについて考えました。


 舞台のローマには、しばらく前の現代中国のような活気と、他方、ゆるい人情にあふれた昔の日本の面影があります。

 王女の心の迷いは薬では治らない。お金のために魂を売るケダモノになってはいけない。

人間は、心に秘密を秘めて生き続けていく。

 恋愛には節度が必要。

 古い映画を見ることは、考古学に似ている。現代人が忘れたものがあの時代には確かにあった。

 そんなことを考えながら鑑賞しつつ、最後には背筋が寒くなるほどの感動を味わいました。



(2011年(平成23年)11月某日再鑑賞)

 1年ぶりに観て、また感動しました。

 エピソードのつなぎ方がうまい。シンプルで、すっきりしています。